「次世代資産としての不動産」の考え方 ー第2回 賃貸経営とは?
【連載】「次世代資産としての不動産」の考え方
第2回 賃貸経営とは?
前回は「はじめに」と題して、連載のテーマについてお話をしました。
第2回目は「賃貸経営」の重要な3つのポイントについて、わかりやすく整理していきたいと思います。
「F・M・O」3つのマネジメント
これからの賃貸経営を行っていくうえで重要なことは「F・M・O」3つのマネジメントです。
それでは「F・M・O」3つのマネジメントとは何でしょう?
賃貸経営のマネジメントには、大きく分けて3つの分類があります。
F: ファシリティ(設備)
M: マーケティング(集客)
O: オペレーション(運営)
3つについてお話をする前に、まず一番判りにくいと思われる、F:ファシリティ(設備)マネジメントからご説明します。
例として、あなたが遊休土地を所有していて、その土地に賃貸物件を建て、不動産管理会社に管理を任せる、と仮定します。
あなたが管理を委託している不動産管理会社が「ファシリティ(F)マネジメント(M)(以下FM)※1」に詳しい会社なら、その管理会社に管理手数料を支払って、管理を委託し続けることに、メリットがあると思います。
※1 ファシリティマネジメントとは?
「業務用不動産(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営管理活動」と定義されています。
(公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会HPより抜粋)
FMとは、ひとことで言うと、事業用の不動産(土地、建物、設備)を事業に最適な状態でメンテナンス・管理を行うことです。
ただ残念ながら、地元でFMに強い不動産管理会社というのは、あまり聞いたことがありません。
実際のところ、FMだけに限ると、不動産会社より、ビル管理会社の方が詳しいことが多いです。たいていのビル管理会社では、国家資格である「建築物環境衛生管理技術者(通称 ビル管)」がいて、建物のさまざまな環境・衛生上の管理の仕方、法的規制について、きっちりと学んでいることが多いからではないかと思います。
今後、ますますコンプライアンス、所有者責任について厳しく問われるようになることもふまえ、順調に賃貸経営を行うためにはとても重要なので、一般的な地主さんやアパマンオーナーさまでも、これからの賃貸経営には、業務用不動産として「FMの視点」を持ち、具体的なプランを考えることが重要です。
賃貸経営のポイントは「F・M・O」3つのマネジメント
上記でご説明したFの他に、MとOは一般的な言葉になっていると思いますので、F・M・Oについて、一言でまとめてみます。
F: ファシリティ(設備) ・・・入居者を受け入れる設備(土地・建物)をどうするか?
M: マーケティング(集客)・・・入居者の確保をどうするか?
O: オペレーション(運営)・・・入居(賃料収入がある)状態を維持するにはどうするか?
丸投げはNG
地主さん、オーナーさまの中には、
「建物の修繕や更新は建築会社に、入居者の集客や運営は不動産会社に、任せて丸投げ...」
というケースも実際には多いと思います。
今後は、仮に業者に委託するとしても、その委託業務の中身を十分に理解・把握して、
上記の「F・M・O」3つのマネジメントについて「総合的」に、自ら(人任せにしないで)考えていくことがとても重要です。
次回は「第3回 不動産オーナーと管理会社の立ち位置について」をお話しします。