「次世代資産としての不動産」の考え方 ー第5回 今後の入居者管理への第一歩

【連載】「次世代資産としての不動産」の考え方

第5回 今後の入居者管理への第一歩

前回は「これからの動向」についてお話をしました。

第5回目は、入居者管理の重要性についてお話しします。

 

本当の資産は、、、

これからの時代は

「土地や建物を利用・活用して、その費用を支払ってくれる人」

こそが、本当の資産になります。

いくら土地や建物があっても、そこで収益をあげられなければ、やがて負債になります。特に不動産は、所有しているだけで、税金などの保有コストが大きく、流動性が低い資産です。人口減少と地域縮小のなかでは、今後は、売却価格の上昇も見込みにくい状況です。そのようなときには、価値があるのか?だけではなくて、価値を生むのか?について、中長期で考えた活用が必要です。

 

どこから棚卸しするか?

情報の整理と棚卸し

とはいえ、急激に、意識や経営のやり方を変更するのも、容易なことではありません。まずは、情報の整理棚卸しから、段階的に進めていくのが現実的です。

入居者情報は最新ですか?

土地や建物は、実物が目視できること、また、納税通知などで毎年定期的に情報が通知されること、などにより、比較的、状況の把握がしやすいかと思います。お金についても、申告や納税手続きなどで、毎年必ず、何かしらのチェックが入る仕組みがあります。

入居管理についても、入居者の基本情報や賃料徴収、入居状況など、ある程度の把握はできていると思います。

ただし、入居者の情報の修正変更は、なおざりなことが多いです。

管理会社が管理していても、入居者が正しく変更事項を報告してきているか、不確かなことが多いからです。

 

入居者情報を最新に更新してください!

ご所有の賃貸物件に、同じ入居者が長く住んでくれるのは、大変望ましいことですが、

今は、個人を取り巻く環境変化が早い時代です。

入居者個人の状況を正確に把握しておくことは、資産管理上、極めて重要です。 

勤務先、所得、収入の源泉、保証人の存否、家族構成などは、時間とともに変化します。

せめて、賃貸借契約の更新時には、自動更新であっても、

必ず契約書の再締結と、

入居者情報を最新に更新してください!

自主管理でも、委託管理の場合でも、多少の手間と費用がかかっても、ぜひ行ってください! 入居者の基本情報は「無形資産の台帳」となります。

 

民法の改正も影響してきます

また2016年頃~2020年頃まで、宅建業法や民法の改正が続いています。

様々な契約行為が「消費者保護」の観点から「自己責任」中心へと修正されていきます。

ご自身の権利の保全・保護のためにも、情報収集と整理棚卸しの準備を始めてください。

もし、これらの業務を億劫がるような管理会社でしたら、資産管理のリスクを十分理解していない、と考えて差し支えないと思います。

 

確認が必要な項目は?

賃貸借契約更新時には、なるべく以下の情報の確認をお願いします。

入居者の
  1. 氏名
  2. 年齢
  3. 勤務先・就学先(会社名・学校名)
  4. 同居家族構成
  5. 最新の所得状況 ※可能なら
  6. ペットの有無
  7. 連帯保証人
  8. 緊急連絡先/携帯電話・メール・SNSなど(固定電話の時代ではないし、知らない番号には出ない人も多いので。)
  9. 家財保険の加入状況
  10. 特に高齢者の場合、かかりつけの医療機関、民生委員や団体・行政機関など
オーナーとして

ご高齢の方が入居している場合、緊急時の医療機関への搬送や、場合によってはご葬儀の段取りまで、オーナーとしてやらざるを得ないケースも、ありえます。

当然ですが、個人情報の保護には十分ご配慮のうえで、聞き取りを行ってください。

 

 

最終回は「昨今のニーズへの対応」についてお話しします。

 

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投稿者プロフィール

菅野 武
菅野 武一級建築士
栃木県を起点に、北関東から福島県まで、建物調査診断や各種施設の法令点検・維持管理を通じて、既存建物の活用や保守・運用の提案と管理業務を行っています。業務でのご相談もお気軽にどうぞ。

一級建築士・既存住宅状況調査技術者・JSHI公認ホームインスペクター・建築物石綿含有建材調査者・古民家鑑定士・雨漏り診断士・建築物環境衛生管理技術者・耐震診断技術者・FLAT35適合証明技術者・日本不動産仲裁機構ADRセンター調停人

とちぎ住宅診断サービス/有限会社レーベンデザイン代表
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