住宅診断?インスペクション?瑕疵保険の検査?

何が違うのかわからない?!

このところ、立て続けにご質問を頂戴しました。

インスペクションと中古住宅の瑕疵保険調査は同じものですか?」

住宅診断既存住宅瑕疵保険のどちらを選んだ方がよい?」

住宅診断瑕疵保険の調査でいったい何が違うの?」

 

これまでは

ホームインスペクションまたはインスペクション、住宅診断、、、と言い続けてきた当社ですが、昨年くらいまでは、知る人ぞ知る(今も、まだまだそういう状態ですが)言葉でした。

その後、国交省により、「既存住宅状況調査」という建物の調査診断についての規定がなされ、この名称もカタかったからか、まもなく「建物状況調査」という表現に取って代わりました。

 

当社の考えは

インスペクション(建物の調査診断)、インスペクター(インスペクションを行う人)という呼び方は、アメリカで使われているそうです。当社の建築士も所属のNPOホームインスペクターズ協会が日本で最初に導入した、と伺いました。

インスペクションは一般的には「調査、検査、査察」といった意味です。現在は「建物調査」という意味で使われることが多いです。そして、インスペクションの中でも「住宅」の調査が圧倒的に多いため、「ホームインスペクション=住宅診断」の意味で、当社は使用しています。ホームインスペクションより「住宅診断」という表現を使うことが多いですけども。

「建物状況調査」は、インスペクションの定義の中のひとつの種類、と言えますね。

ですが、中には「インスペクション=建物状況調査」と考えている人もいて、詳しく説明しないと、話し手と聞き手で互いに違うことを頭に描いているという混乱した状況もあるのではないかと思います。

 

どれを選べばよいの?

既存住宅かし保証保険

もちろん保険ですので、購入した建物に瑕疵があった場合に備えて加入する意味合いがあります。実際には、

  1. 住宅ローン減税(所得税)
  2. 登録免許税(所有権移転・抵当権設定)
  3. 不動産取得税
  4. 贈与税(住宅取得資金)

税金の減免措置のためにご利用になるお客さまが多いです。

その際に、保険に加入もできると安心だから、という理由で選ばれています。

 

瑕疵保険の注意点

購入して住み始めたあと不具合が見つかった時、実際に保険が使えるかどうかは、その時になってみないとわかりません。

瑕疵保険適用の可否については、他の一般的な保険と同様に審査があり、瑕疵かどうかの判断は、保険法人の審査の結果を待たないといけないからです。

なお、経年劣化によるものや自然災害による損害の場合、瑕疵保険は適用になりません

 

瑕疵保険の代わりに

「耐震基準適合証明書」を取得することでも、減税適用となりますが、それにも思わぬハードルがあります。

住宅が、新耐震基準で建築されていたとしても、2000年6月より以前に、建築確認を受けて建設されていた場合、壁量のアンバランス等の理由により、耐震基準に適合しないケースが多いです。

その場合は、確認申請書類や図面の写しをお預かりして、まずは、国交省規定の耐震診断アプリによる「簡易耐震診断」を行うことで、費用のご負担を抑えるように対応しております。※ご希望の方はお問い合わせください。

瑕疵保険、耐震適合証明書いずれの場合も、建物に不具合がなく、現行最新の法令基準に合致している場合は、あまりご心配されることもなく加入等スムーズに行くと思うのですが、法令も年々規定が厳しくなっていくばかりですので、築年数が経っていくと、適合が難しくなってきます。

 

瑕疵保険の検査と住宅診断の違い

瑕疵保険は、当社で検査を行い、保険法人の審査基準に合格しているかどうかを確認します。その上で、各種報告書を作成し、それらを保険法人に提出し、確認を受けます。

瑕疵保険の対象箇所は、屋根や窓・外壁[雨水の浸入防止部]と壁・柱梁・基礎等の[主要構造部]についてですが、定められた箇所を規定通りに確認するという検査です。

住宅診断は、より広範囲に、より詳細建物を調査します。オプションの床下調査も付加いただくと、よりご安心いただけると存じます。

たとえば、床の傾きや壁の傾き計測について比較すると、当社の住宅診断では、原則全室全面調査ですが、瑕疵保険の検査では、各階1箇所計測でOKであったりします。

詳細に調査することにより、調査診断の経験が豊富な建築士が、結果から考察して、建物や敷地の全体の傾向等や、今後想定される対応策等をアドバイスしております。

また、住宅診断では、わかりやすいように不具合箇所を明記した記載図面を添付しています。

また逆に、築年数が古くてもメンテナンスが適切になされていて、大事に住まわれている住宅の場合や、造りがしっかりしている建物の場合、住宅診断では、そういった内容を適切に報告書に反映します。

 

建物状況調査と住宅診断の違いは?

以前は当社でも、建物状況調査(この4月からの宅建業法改正で新設)と住宅診断について、調査内容や報告書の内容を区分していましたが、建物状況調査の内容だけでは、あまりに不十分というお声も出たので、以前からの住宅診断の書式を改善して、建物状況調査報告書を兼ねるようにしました。ですので、当社の場合、「住宅診断(※建物状況調査としても使えます。ただし、より詳細です!)」となっております。

 

まとめてみると

  • 各種の減税を受けたいお客さまは「既存住宅瑕疵保険」または「耐震基準適合証明」
  • 中古住宅は瑕疵が不安なので、もしか補償が出れば安心、という方には「既存住宅瑕疵保険」
  • しっかりとした調査の結果を見て、購入後に改修補修する箇所を検討したり、建物の現状に納得した上で購入したいという方には「住宅診断(※建物状況調査結果としても使用可)」

をおすすめしています。

 

お客さまのご要望にあったコースをお選びいただければ幸いです。

 

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