行政の空き家対策と補助金の利用・活用@宇都宮[後編]空き家対策に利用・活用できる補助金について
【連載】行政の空き家対策と補助金の利用・活用@宇都宮
前回、[前編]行政の空き家対策についてでは、行政の空き家政策の視点について解説しました。[後編]では、空き家対策に利用・活用できる補助金についてお話しします。
[後編]空き家対策に利用・活用できる補助金について
行政の空き家対策の例
1)政策による「空き家対策」-国交省のサイトから
①空き家再生等推進事業
国交省「空き家再生等推進事業」
これは基本的に
- 除却に向けての費用補助(公益性や都市計画による判定)
- 活用に向けての費用補助(地域コミュニティに貢献する活用限定)
の2点が中心になります。
②空き家対策の担い手強化・連携モデル事業
・・・空き家の担い手の育成が目的
③先駆的空き家対策モデル事業
・・・空き家対策に先駆的な団体等への支援が目的
2)宇都宮市の「空き家対策」
宇都宮市でも、上記の政策を受けて、
の制度を設けています。
※ただし、国や行政の「空き家対策」は、現状の個人所有の戸建住宅を中心に考えられており、賃貸集合住宅の個別の空室にたいして、即、活用できる制度はほとんどありません。
3)その他の施策
賃貸住宅でも、空き家対策専用ではありませんが、利用できそうな補助金や助成金の制度があります。これらの制度も、入居促進に利用できるものは、検討していく価値があります。
政策や目的別に大きく分類すると、
- 省エネ・温暖化対策
- 高齢者向け対策
- 耐震性の向上
- 未利用不動産の利用活用の促進
- 弱者の住宅確保
- 地域への移住や定住の促進
になります。
役に立つ具体的な事例
1.省エネ・温暖化対策への補助
→改修やリフォーム費用の補助に活用
◇『住宅・建築物の省エネ化に関する支援制度-国交省』より
- 「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」
- 「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等による住宅における低炭素化促進事業」
- 「既存建築物省エネ化推進事業」
- 「賃貸住宅における省CO2促進モデル事業」
2.高齢者向け対策への補助
→改修やリフォーム費用の補助に活用
- 「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」(サ高住)-国交省
- 「既存建築物省エネ化推進事業」
- 「各自治体によるバリアフリー改修補助など」複数
3.耐震性の向上
→改修やリフォーム費用の補助に活用
- 「各自治体による耐震診断・改修補助など」複数
4.未利用不動産の利用活用の促進
→協議段階・諮問会議の段階
5.弱者の住宅確保
→入居者の誘導・空室対策
- 「住宅セーフティネット制度」-国交省
※「賃貸住宅供給促進計画」「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」
- 「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」(サ高住)-国交省
6.地域への移住や定住の促進
→入居者の誘導・空室対策
- 「各自治体による家賃補助・引越し補助など」複数
※宇都宮市の場合の居住促進のための補助金
フレッシュマン・若年夫婦・子育て世帯等家賃補助金(詳細パンフレット)
まとめ
補助金や助成金を利用するにあたっては、さまざまな条件や制限があります。
また、補助金や助成金が活用できる場合でも、かかった費用に対する補助率(補助金等が給付される割合)や助成方法、付帯条件などによって、必ずしも、望ましい費用対効果が見込めない場合もあります。
そうであったとしても、「面倒」「利用価値がない」と安易に判断するのではなく、現在の不動産の状況をしっかり棚卸しをして、将来の計画に向けて、①方向性が一致するもの、②効果が見込めるもの、に関しては、積極的に活用することが、補助金や助成金の賢い利用方法となります。
これまで申請をしていない方は、これを機会にぜひ検討してみることをおすすめします。
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