火災保険の見直しと耐震診断は関係あり?!
今回は、お客さまからお問合せのあった、保険と耐震診断の関係についてお話しします。
耐火性と保険等級
火災保険は、基本的に建物の耐火(防火)性により、保険料率(や保険料の金額も)が変わります。
個々の物件により、保険の内容や建物の築年数、構造の詳細は違うので、ここではあくまでも一般的に、とお断りしたうえで概ね、
一般の木造
↓
防火構造(木造・鉄骨造など)
↓
簡易耐火・準耐火構造(木造・鉄骨造)
↓
耐火構造(鉄筋コンクリート造・耐火鉄骨造など)
の順に、耐火(防火)性能と保険等級が上がり、保険料も安くなります。
(等級や構造については、保険会社によって呼称が変わりますが、耐火・防火の要求性能自体は、上記の順序に準じています。)
火災保険については、耐震性能の前にまず、耐火・防火性能が高い方が、保険料が安くなっています。
地震保険<耐震等級>
地震保険については、通常の住宅の場合、火災保険に特約で付随するのが一般的かと思います。
地震保険には耐震等級と地域係数があり、建築場所によって保険料が異なります。
また耐震等級については(通常は)鉄筋コンクリート造や重量鉄骨造、プレハブメーカーによる工業化住宅などは、比較的高めになることが多いです。(構造計算によって耐震性能が確認されているので)
一般的な木造住宅の場合、設計段階で耐震性をどこまで上げておくか、によって基本的な耐震等級が変わります。
昭和56年、平成12年に建築基準法の構造法規の大改正があり、これらの年の前後によって耐震性が大きく変わるケースが多いです。(築年が古くても耐震性の高い建物ももちろんありますが)
耐震診断により、実際には等級(耐震構造の強度)が今より高いことが証明できれば、地震保険料の減額の可能性もあります。ただし、あくまでも診断の結果次第となります。
保険料の減額のみが目的の場合、耐震診断は空振りに終わる可能性もあるので、建物の安全性確認の意味も加味して耐震診断をご検討されるのが合理的かと思います。
新築当時の設計図が無い場合でも
設計図書がない場合でも、耐震診断のための調査を行っております。
筋交い等の位置については、サーモカメラ調査で確認します。
建築時の構造図面がない場合、耐震診断と構造の再計算を行い、耐震等級(耐震構造の強度)を算定します。耐震等級の示す内容は下記「※参考」をご覧ください。
ちなみにここでの「耐震等級」は、住宅の性能表示制度を定める「品確法」に沿って制定されたもので、火災・地震保険での等級とは異なりますので、その点をご注意ください。
※参考
耐震等級
1:建築基準法に合致
2:等級1の1.25倍(強度25%増し)
3:等級1の1.50倍(強度50%増し)
実際に保険料が減免になるのは、、
保険会社ではないので正確ではありませんが、おそらく現在普及している地震保険では、耐震等級が2以上か、または設計時に構造計算を行う、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合に、保険料の減免があるケースが多いかと思います。
もっと詳しくお知りになりたい方は
・現在ご加入の火災保険と地震保険がどのような保険等級や保証内容になっているか?
・地震等の特約がどのような扱いになっているか?
をお知らせくださると、保険料の増減について、もう少し詳しいご回答ができるかと思います。
ご相談の際は、現状の契約内容が把握できるよう、保険証書の写しと約款をご準備ください。
もちろん、耐震診断についての具体的なご相談にも応対しています。その場合は、お申し込みフォームから建物の概要をお知らせくださるようにお願いします。