4/1より宅建業法の一部改正に伴い、既存住宅の媒介を行う宅建業者は、既存住宅の売買・交換、売買・交換の媒介、代理または既存住宅の貸借の媒介、代理の取引で「建物状況調査(実施後1年を経過していないものに限る。)を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要」が重要事項説明に追加されました。

不動産取引のプロである宅建業者が、専門家による建物状況調査(インスペクション)の活用することで売主・買主が安心して取引ができる市場環境を整備していこうというものです。

 

建物状況調査とは

既存住宅の基礎、外壁等の部位毎に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の有無を目視、計測等により調査するものです。建物状況調査は国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が実施します。(講習を修了していない建築士や検査事業者が実施する調査は、宅建業法に基づく建物状況調査には当たりません。)

 

建物状況調査と既存住宅売買瑕疵保険について

既存住宅売買瑕疵保険に加入するためにも当然検査が必要ですが、保険に加入するための検査(瑕疵保険登録検査事業者が行う検査)と、宅建業法上の建物状況調査(既存住宅状況調査技術者が行う検査)の検査内容が微妙に異なるという点です。(保険加入の検査の方がより厳密です)

したがって、既存住宅状況調査技術者の資格者で、かつ、瑕疵保険の登録検査事業者である事業者に依頼した方が検査の二度手間を省くことができるなど、よりスムーズに進めることができる可能性が高くなると思われます。

 

【国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人 一覧(平成29年11月現在)】
住宅あんしん保証 (03-3562-8122 / http://www.j-anshin.co.jp)
住宅保証機構 (03-6435-8870 / http://www.mamoris.jp)
日本住宅保証検査機構(03-6861-9210 / http://www.jio-kensa.co.jp)
ハウスジーメン (03-5408-8486 / http://www.house-gmen.com)
ハウスプラス住宅保証(03-5962-3800 / http://www.houseplus.co.jp)

※全国の既存住宅状況調査技術者を一元管理している検索システムは用意されていません

(平成29年11月現在)

登録検査事業者の検索サイト ⇒ http : //search-kashihoken.jp/

 

建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)とは

建物状況調査を実施した建築士(既存住宅状況調査技術者)により作成される、調査対象部位ごとの劣化事象等の有無などが記載された書面です。建物状況調査を実施すると、依頼者に次の書類が交付されます。

・建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)
・建物状況調査報告書

建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)は、木造・鉄骨造と鉄筋コンクリート造等では、調査対象部位、調査実施の方法が大きく異なるため、木造・鉄骨造用と鉄筋コンクリート造等用の2種類が用意されています。

 

建物状況調査と住宅診断の違い

建物状況調査と住宅診断で調査する箇所についてはほとんど変わりありません。

ですが、大きくそれぞれの報告書に違いがあります。

建物状況調査は簡易的な報告となっており、より詳しい報告書や所見等が知りたい場合は、

住宅診断の方がお客様の欲しい情報が記載されたものになっているかと存じます。

 

 

始まったばかりなので今後どのようになっていくのか注視する必要がありますが、

建物に関するお困りごとやご相談の際はお気軽にご相談ください。

 

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