アスベストとは

石綿(アスベスト)は、耐火、耐熱、防音等の性能に優れた天然の鉱物のことです。安価で加工しやすいことから、多くが建築材料に使用されてきました。しかし、吸引することにより肺がんや中皮腫等の健康被害を引き起こすため、日本では現在製造・使用等が禁止されています。過去に使用されたものの多くは建築物等に残存しています。

現状では、飛散による健康リスクが高い「レベル1」「レベル2」建材についてアスベスト調査を行うことが一般的ですが、令和4年4月に「大気汚染防止法及び政省令の改正」が予定されており、一定規模の改修工事や解体工事について「レベル3」建材も含めた事前調査結果の届け出が義務化されます。

(参考:環境省『大気汚染防止法及び政省令の改正について』 / 環境省『大気汚染防止法が改正されました』

 

分類

主に建材に使用されたアスベスト(石綿)は、以下の3つのレベルに分類されます。

レベル1建材(発じん性が著しく高い)

石綿含有吹付け材:主に耐火建築物・準耐火建築物の耐火被覆や、機械室・ボイラー室の防音や断熱材として吹付けて使用されることが多い。

→当時の一般的な木造住宅であれば「防火建築物」以下であることが多く、コンクリートや鉄骨面に何らかの吹付け被覆が施工されていなければ、レベル1建材が使用されている可能性はほぼないと考えられる。

レベル2建材(発じん性が高い)

石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材:

ボイラー配管や空調ダクトの保温材、柱梁の耐火被覆材、屋根用折版裏断熱材、煙突用断熱材として、張り付け材で使用されていることが多い。

→非耐火建築物で、ボイラーの循環配管や空調ダクトがなく、古い屋根用折版や造作による煙突等がなければ、レベル2建材が使用されている可能性は限りなく低いと考えられる。

レベル3建材(発じん性が比較的低い)

石綿含有成形板、ビニル床タイル等、石綿スレート等:

古い(規制前の)建物の天井や壁、床等の仕上げ材、屋根材等として使用されていることがある。

→アスベストの法規制前に製造された建材には含有されている可能性があるが、レベル1・2建材と比較して飛散による健康リスクは小さいとされている。

 

 一般的な木造住宅の場合は「レベル3」建材(石綿含有建材・成形板等)の調査が中心となります。

 

調査方法

調査の進め方としては、以下のような順番で行っていきます。

 ① 図面および現地にて含有の可能性がある建材や製品をピックアップ

 ② 国土交通省のデータベースを参照に「特定建築材料リスト」を作成

 (石綿含有建材データベースURL

 ③ 実際にアスベストが含まれているかを確認するために、現地で各部材の

   サンプルを取得

 ④ 専門の検査機関に送付し、定性分析により判定を行う

 

費用について

弊社でアスベスト調査を行う際の費用については、

 ① 現地+図面調査、特定材料リスト作成費:一式10万~

 (建物の規模や仕様により変動します)

 ② サンプル取得作業費:基本料金5万~(サンプル取得数により変動します)

 ③ 定性分析費用:1サンプルにつき3~5万円程度(分析内容により変動します)

の合計となります。

 

アスベスト調査をご検討の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

 

 

菅野 武 Kanno Takeshi

一級建築士/既存住宅状況調査技術者/JSHI公認ホームインスペクター/AJIHA登録ハウスインスペクター/FLAT35適合証明技術者/建築物石綿含有建材調査者/古民家鑑定士/古材鑑定士/建築物環境衛生管理技術者/被災建築物被災度区分判定・復旧技術者/耐震診断技術者/耐震改修技術者/住宅省エネルギー技術者/防火対象物点検資格者/雨漏り診断士/防災士/ADR調停人候補者資格者

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